シアトル・ストームは6日、ロサンゼルス・スパークスを相手に開幕戦を行い、86―61で勝利を収めた。4日にロスター入りを果たした渡嘉敷来夢選手は途中出場で約20分をプレー。6得点、1リバウンド、2ブロックを記録し、チームに貢献した。
「今までのどの試合よりも一番緊張しました。(雰囲気が)プレシーズンのときとは全く違って、ベンチに座っているときも吐きそうになって。これが本当の緊張なんだなって思いました」――。約1万人が集まったキーアリーナでの開幕戦。渡嘉敷選手は第1クォーター残り4分40秒にコートに立ち、チーム5番目に長い約20分をプレーした。
日本人スター選手のデビュー戦ということもあり、日本からも多くのメディア、ファンが試合に足を運んだ。所属チームだったJX-ENEOSサンフラワーズの選手や関係者も来場、ゴール下の席から応援ボードを手にチームメイトの活躍を見守った。「正直あれが一番プレッシャーでした。でも嬉しかったです」と渡嘉敷選手は笑顔を見せた。
プレシーズンで好調だったシュートは、開幕の雰囲気もあったのか4本中成功は1本のみと不調だったが、2ブロックを記録するなど守備でチームを支えた。「オフェンスがだめなときはディフェンスでリズムを取るしかないと思っているので。すごく良かったというわけではないですけど、ブロックショットなどで貢献できたのかなと思います」と渡嘉敷選手は語った。
ジェニー・ブーセック監督は「文句なしの出来だったと思います」と渡嘉敷選手のプレーを振り返る。「普段なら決めるようなシュートを外していましたが、少し緊張していたのかもしれません。でも彼女はハードにプレーし、ディフェンス面などでチームを助けていました。どんな形であれチームを助ける術を見つけられる選手です」と労をねぎらった。
シアトル内外からのファンからも渡嘉敷選手への期待は大きい。
高校生のときからファンだという鈴木啓水さんは、開幕戦に合わせて東京から足を運んだ。「(渡嘉敷選手がストームで)出場時間をもらえているので嬉しい。外からのプレーも期待している」と話す。シアトル在住で長年ストームのファンだという宇都久幸さんは、「(渡嘉敷選手の加入が)すごく嬉しいです。日本人選手がどれだけ通用するか見てみたい。大いに期待しています」と語った。
ストームは敵地3連戦の遠征中。地元での次戦は16日のコネチカット・サン戦となる。
(記事・写真 =滝澤 俊之)